STEAM PLACE

エンジニアリングとマネジメント

エンジニアリングマネージャーの概念を探る

エンジニアリングマネージャーって何者か?というものを考えているのですが、明確な定義は難しいものです。

Engineering Manager Meetup #4 で Job description の話をしてきた #em_meetup - dskst's diary でも発表しましたが、 Job description という方向から攻める一方で、今後は別の切り口からも考えていこうと思います。

さて、今回はエンジニアリングマネージャーの概念に近づけそうなことがあったので整理してみました。

エンジニアリングマネージャーの概念は何か

@bufferings さんのブログ 「エンジニアリングマネージャは必要か?」 - Mitsuyuki.Shiiba にて、以下の表現がありました。

組織の形に合わせて今足りない部分を補いつつ複数のロールを担っている人、のことをエンジニアリングマネージャと呼んでいるのではないか

確かにそうだなと納得しました。
組織ごと明確になっていない空白のところやっている人。

図にすると下記のような感じでしょうか。

ここで、図という切り口で概念に近づいてみましょう。
たとえば、下記はUX概念図をまとめていますが、多様な図が出てきます。

uxxinspiration.com

エンジニアリングマネージャーも同様に、整理すると概念図にまとめることができると考えています。

プロダクトマネジメントトライアングルに似てる

プロダクトマネジメントトライアングルという、プロダクトマネジメントの責任を整理したトライアングル図にエンジニアリングマネージャーが似ているという話があります。

ninjinkun.hatenablog.com

機能横断型チーム間におけるプロダクトマネジメントの責任について、部分的には正確だが曖昧な説明として、「空白を埋める」「糊の役割を演じる」などが含まれる。

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引用 https://ninjinkun.hatenablog.com/entry/the-product-management-triangle-ja

この空白というのを埋めるのが各職務であり、プロダクトマネージャーだと。
エンジニアリングマネージャーもエンジニアリングの各職務があり、その空白を埋めているのではないでしょうか。

概念から具体へ、エンジニアリングマネージャーという者は存在するのか

かく言う私の会社でもエンジニアリングマネージャーというものは公式には存在しておらず、対外的に勝手に名乗っているのは事実です。

他の会社はどうなのかなとアンケートを取ってみたところ、以下の結果でした。

名刺に記載という条件がよくなかったのか、なんと定義されている会社が12%しかありませんでした。
エンジニアリングマネージャーというのは新しい考え方なのかもしれません。

一方、 Indeed で「Engineering Manager」を検索すると十数万件ヒットします。
新しい考え方というより、日本では認知されていないだけかもしれません。

外資系や海外で働いている方は、エンジニアリングマネージャーがどのように定義されているのか、コメントをいただけると嬉しいです。

Engineering Manager Meetup #4 で Job description の話をしてきた #em_meetup

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Engineering Manager Meetup #4 に参加してきました。

engineering-manager-meetup.connpass.com

「em_meetup から生まれる!? Engineering Manager Job description」というタイトルで発表をしてきました。本記事では、プレゼンでは時間が無くてお話しできなかったことをまとめました。

em_meetup から生まれる!? Engineering Manager Job description

エンジニアリングマネージャーの Job description を作ろう!
というプロジェクトの成果報告でしたが、 Job description は完成していなかったので、こんな課題があるよということを話しました。

Job description はこれからどうなるのか

今後はコンピテンシーモデルも検討されると記載していますが、どうなんでしょうか。 調査をしていたところ、興味深い資料が見つかりました。

「The End of the Job Description」
名前の通り、 Job description が終わると。

提言されていることは、従来の Job description ではなく、役割やコンピテンシーへ注目するべきと。人事制度で言うと役割等級制度になっていくのでしょうか。

Job description は能力に制限をかけてしまう!?

そうなんです。職務が明確ということは、やらなくても良いことがわかります。
ミスマッチを防ぐという効果がありますが、人の成長、Y理論で考えると制限になることが予想されます。

これは実際に、自分の業務以外はやらないという文化になっていったのではないでしょうか。 日本は職能資格制度により成長をしてできないことをできるようにしていく、という考え方なので潜在能力が発揮される環境だったのかもしれません。

外資企業の求人から見れる Job description も明確な職務が書かれていないことが見て取れました。
これは意図的に書かないようにして、職務を制限しないようにしているのではと予想しています。

コンピテンシーモデルを適用するのか?

プレゼン内ではコンピテンシーにはあまり触れませんでしたが、今後は意識する時がくると感じています。

コンピテンシー・モデルの開発と活用 をご一読いただきたいです。
コンピテンシーディクショナリなどのコンピテンシーが、好業績者とどう紐づくかを調査してそれを評価に紐づけていくと提言されています。

コンピテンシーモデルの一番の課題は「抽出のコストと寿命の短さ」だと考えています。

一方で、どのようなコンピテンシーがというのを抽出するのは非常に難しいことです。その割にその職務の寿命というものは短いものです。 コンピテンシーモデルが適用され運用されるのは、まだまだ時間がかかりますが、無視できないものとなります。

人事制度との深い関わり

Job description は人事制度と密接に紐付いています。
等級制度というものがあり、職務等級制度で Job description が使われていました。

  • 職務等級制度
  • 職能資格制度
  • 役割等級制度

職能資格制度では、 Job description は不要です。 よって、会社によっては作る必要はないかと思います。

時代の流れは純粋な職能資格制度が減って、役割等級制度や職務等級制度を混ぜた形にシフトしています。
そのため、 Job description はなんらかの形で使われることになっていきます。

しかし、等級制度をベースに、採用、評価などが展開されているため、本当の意味で Job description を理解するには人事制度の理解が必要になってくるというわけです。

今回の発表を通して感じたこと

Engineering Manager 共通の Job description を作ることはチャレンジでしょう。
職務というものだとミクロの話になってしまうので、具体的に書けば書くほど共通ではなくなります。

Job description をもっと抽象化したものや、 Job description の材料となるものを作るのか、今後コミュニティで考えていきます。

参考文献

エンジニアリング組織の文化ができるまでの3年間の軌跡

メリークリスマスイヴ!
この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2018 の24日目の記事です。

私 (@dskst9) が3年前、アスクルという会社のエンジニアリングチームにJoinしてから、エンジニアリング組織の文化がどのように作られていったのかというお話です。

これは、私自身のアクションと、エンジニアリングチームの一人ひとりがアクションしたことを織り交ぜて書いています。誰かがアクションし続けることで、会社は変わり続けることができるということを感じてもらえると幸いです。

この記事が伝えたいこと

  • どんな会社でも変えることができる
  • 組織を変えたいなら自分自身でアクションする
  • 組織がアクションを続けると習慣となりそれが文化になる

そもそもどんな会社

むかし

3年前は、全社員比でエンジニアが 1% もいない会社でした。(5年前は0人…!!)

エンジニアリング組織の文化どころか、「エンジニア?何それ、おいしいの?」という状態。「外注すればいいじゃん」「本当に必要なの」というような感じでした。

(吉幾三がエンジニアだったら)こんな歌が聞こえてきそうです。

ハァ Gitも無ェ チャットも無ェ
Macもまったく使って無ェ
Wikiも無ェ ツールが無ェ
Excel毎日ごーりごり

そこへ、エンジニアが20名ほど Join(私も含む) して、組織が大きく変わっていくことになりました。

いま

さきほどの歌のようなことはなくなり、そこそこモダンな環境に変わったと思います。 何よりも組織としてエンジニアの立場が認められて、エンジニア側から組織に対して発信し、受け入れられるようになりました。

そして、エンジニアリング組織の文化というのが少しずつできていることを感じています。

ふりかえる

どのようなフェーズでどんなことをやってきたか、タックマンモデルにはめてふりかえってみます。

タックマンモデル

心理学者 B.W. Tuckman が唱えたチームビルディング(組織進化)モデルです。
チームは形成されただけで機能し始めることはなく、チームは形成後、混乱を経て、期待通り機能するようになります。 各フェーズを「Forming」「Storming」「Norming」「Performing」「Adjourning」と呼び、下図のように表現されています。

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Forming(形成期)

メンバーはお互いのことを知らない。また共通の目的等も分からず模索している状態。

3年前、20名ほどのエンジニアが Join した時期です。
当時はIT部門の1チームとしてエンジニアリングチームがありました。

20名程が短期間で入社したので、お互いを知らない、組織からも認知されていないというカオス状態でした。
この頃のエンジニアリングチームは、案件だけで繋がっていたような気がします。

  • 社内でのエンジニアの認知度が低い、信頼されていない
  • よって、エンジニアから組織への声が通らない

やったこと

社内のたくさんの人にエンジニアリングチームを信頼してもらうにはどうしたらいいのだろう?

まずは、社内の信頼を積むべくエンジニアリングチームとして案件へのコミットに全力を尽くしました。

内製エンジニアの形成期フェーズでは、案件で結果を出すことが一番でした。 目に見えてリリースが早くなることで、「エンジニアってすごいのかも」という認知が広がりました。

また、エンジニアリングチームを認知してもらうために、広報、法務、総務などの部門にも積極的に関わるようにしました。理由を作ってまで、とにかく話してみるということを続けました。

これは、影響の輪を広げて増やすということを考えていました。影響の輪の詳細は記事にまとめています。
dskst9.hatenablog.com

しかし、急に信頼されるということはなく、小さな信頼の積み重ねが次へと繋がっています。活動を1年くらい続けてやっと信頼が少し広がっていきました。

Storming(混乱期)

目的、各自の役割と責任等について意見を発するようになり対立が生まれる。

今から2年前、エンジニアリングチームができて1年が経つ頃です。
小さなエンジニアリングチームは部となり、何個かのチームが存在していました。

組織では少し認知が広がってきたところ、エンジニアリングチームの中は混乱期に突入していました。

  • 各エンジニアリングチームが何をしているのかよくわからなかった
  • 個人個人が何を思って何を目指しているのかわからなかった

やったこと

1on1 を始めたのはこの頃です。
上司とやり始めたことがきっかけで、そこから半年くらいかけて全エンジニアリングメンバーにまで広がりました。

同時期に Scrum を導入し始めました。
これは、モダンな開発を経験してみようという勢いで始めましたが、チームでの会話が増えたということはとても大きかったです。

1on1, Scrum など、個人個人の会話が増えたことにより、チームが何をしていて、個人が何をしているというのを理解したと思います。会話によって混乱期を乗り越えたのかなと。

また、この年からアイデアソン/ハッカソンを年1回やるようになり、今も恒例行事になっています。

失敗したことももちろんあります。
社内で小さな勉強会を開いたのですが、これが大失敗でした。
自分の想いだけで開催して、誰もついてこれずに1回で終了してしまいました、まさに混乱期(笑)

Norming(統一期)

行動規範が確立。他人の考え方を受容し、目的、役割期待等が一致しチーム内の関係性が安定する。

今から1年前、エンジニアリングチームができて2年が経つ頃です。
エンジニアリングチームとしてはお互いを知ることができて、チームとしてチャレンジしていこう空気になっていました。

  • エンジニアリングチームとしてのアクションをやり始めた
  • 他部門から信頼されの意見が通るようになった

やったこと

プロダクトともっと向き合うべく、 LeSS の導入がチャレンジングで面白かったです。

コンポーネントチームがフィーチャーチームになることで、エンジニアの技術領域も広がり、新しいコミュニケーションも生まれました。
しかし結果としては、フィーチャーチームを作りきれず、残念ながら LeSS チームは解散しました。

インセプションデッキ、ポストモーテムをして、プロジェクトとしっかり向かい合おうという取り組みもやりました。とくにインセプションデッキはプロジェクトの同じゴールを見ることができて、効果が大きかったように感じています。

個人的に一番嬉しかったことは、社内の勉強会を開催できたことです。(この時期になってリベンジできました)
今度はたくさんのエンジニアが参加してくれて、今では月1回の恒例行事になっています。

この時期から技術ブログを立ち上げる相談を広報などとはじめました。

Performing(機能期)

チームに結束力と一体感が生まれ、チームの力が目標達成に向けられる。

そして、今年です。
1年間いろいろとありましたが、エンジニアリングチームの影響の輪が大きく広がりました。

会社の中でもエンジニアリングチームが一目を置かれるようになっており、社内への技術的な提案や改善を推し進めることができるようになりました。エンジニアも外と交流するようになってきました。

  • いろんな人からさまざまなアイデアやアクションが生まれた
  • エンジニアリングチームが外へと踏み出した

やったこと/やっていること

びっくりしたことに、月1勉強会から派生して週1勉強会が自然発生しました。
混乱期の失敗を思うと、他のエンジニアから勉強会が生まれた瞬間は感無量でした。
さらにさらに、月1勉強会にエンジニア以外の他部門の人も参加してくれるようになりました…!

勉強会の他にも、会社の技術ブログが開きました。
たかがブログですが、開設し、更新を続けることというのはこの時期だからできたと感じています。

社外勉強会を自社で開催することもでき、とにかくアクションをし続けていました。

そしてこれから、
エンジニアバリューを作りビジョンを浸透しようとしたり、
OKR でプロダクトにフォーカスしようとしたり、
新しい挑戦を始めているところです。

文化を作るということ

「Forming」「Storming」「Norming」「Performing」とフェーズをなぞってきました。 「Forming」では存在しなかった習慣が、いま存在を感じて、この習慣こそが文化だと思っています。

文化は作れるものであり、作るのはそこにいる自分自身含めたみんなです。
アクションしたことがずっと続くことで習慣が生まれ、習慣が続くことでそれは文化になっていくと思っています。

おわり

文化を作っていくということも EM の大事な仕事ではないかと思っています。

これを意識すると、明日起きる誰かの小さなアクションが文化の芽となっていくことに気づくかもしれません。

おまけ

この軌跡をエモいストーリーにまとめて話したことがあるのでリンクしておきます。

Engineering Manager Meetup #3 - 番外編 OST風懇親会 - #em_meetup

Engineering Manager Meetup #3 に参加してきました!

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EMの魅力をたくさんの人に伝えればと思い、 EM Meetup のレポートをしていきます。

また、この記事は write-blog-every-week(毎週ブログを書くぞー!というコミュティ)の write-blog-every-week Advent Calendar 2018 - Adventar の18日目の記事でもあります。

Engineering Manager に興味がなくても、読んでもらえると嬉しいです。

イベントの内容

engineering-manager-meetup.connpass.com

今回は Engieering Management に関わる方々からのプレゼンテーション + OST風懇親会(※1) という流れでした。

※1 OST(オープンスペーステクノロジー)風懇親会とは?「話したいテーマについて話したい人同士が話せる懇親会」を目指す、今回初めての試みです。以下のような流れを想定しています。

1.参加者の皆様から話したいテーマを募る
2.テーマごとに懇親会のテーブルを分ける
3.各々が関心のあるテーマのテーブルへ集まる
4.意見交換する

今回の記事は番外編

OST懇親会は非常に良かったんですが、ディスカッション内容が残らないのはもったいない!
ということで、プレゼンの内容ではなく番外編 OST風懇親会の内容をまとめます。

私が参加したテーマは「Engineering Manager の役割を再定義する」です。

Engineering Manager の役割を再定義する

さて、ディスカッション内容の前にどのようなテーマだったのか、@yunon_phys さんのプレゼンテーション資料です。

さらに詳細は @yunon_phys さんのブログ記事にまとまっています。

yunon-phys.hatenadiary.com

OST風懇親会でディスカッションする

乾杯をして早速ディスカッションをしました。
(酔っ払っておりあまり覚えていないので、変なことを書いていたらご指摘ください!)

テーマ席には @yunon_phys さんと @hiroki_daichi さんがおり、 EMFM の収録みたいでしたw

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EM定義ディスカッション1

まず、話に上がったのがテックリードとEMの違い。
違うようでとても似ていることもある、マネジメントもやるがこの定義はどうすれば良いのかということ。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス にもあるように、テックリードもマネジメントをするというのが共通認識です。 組織や規模によって内容は異なるので、一概にはこれだとい言えないというのが悩ましいです。

そこから話は、キャリアパスの話へと広がっていきました。
キャリアパスとして、テックリード、EMの最終形とというイメージも存在するようです。

  • テックリード -> CTO (コーポレート・ガバナンス)
  • EM -> VPoE (執行責任)

しかし、これらの役割と等級が混ざって認識されてしまうため、みんなの認識が異なってしまいます。
CTOだから技術をする、VPoEだから採用をすると分けられてしまうことがありますが、別にCTOが採用をしてもいいし結局はその組織での組織設計が大きく関わってくるのです。

ラインマネージャーは例外をキャッチすると考えると、複数のラインがあるよりもシンプルだと考えることもできます。

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EM定義ディスカッション2

議論は、ホワイトボード二枚目へと。 具体的な組織設計の例を元にディスカッションが進みました。

コンポーネントチームごとにEMがいたり、プロダクトごとにEMがいたりとさまざまな形がありました。
コンポーネントチームから、フィーチャーチームになった組織は共通してリエゾンオフィスを作っていました。 しかし、EMの組織上の役割などはやはり別々でした。

そんな時、以下をごちゃ混ぜにするからわからなくなってくるのでは?という意見がありました。

  • 職責
  • コンピテンシー
  • マクロな組織設計

なるほど。確かに、職責とコンピテンシーが混ざって考えてしまいますね。
組織設計上の役割とかもごちゃってしまいます。

これを整理して、さらにプロダクトの性質も整理することでEMの定義ができるということです。
また、それぞれの組織に合った定義があり、さらにそれは分岐しているというのも考える必要があります。

と、ここで時間終了になりました…!

答えは出たのか?

1つの答えにたどり着くというのはないと思っていましたが、そのとおりで答えは大きく広がりを持っていました。

このディスカッションを通じで、依存するものが何かというのが整理できたのはとてもよかったです。

さいごに

プレゼンも素晴らしかったですが、今回はOST風懇親会のディスカッション内容にフォーカスしてみました。

とても有意義な時間を過ごすことがでましたので、次回参加したいですね。 イベントでお会いした皆様、ありがとうございました!

おまけ

プレゼン資料一覧

番外編という記事ですが、プレゼンもとてもよかったのでリンクします。

今回のイベントで登場した書籍

たくさんの本が紹介されていました。
プレゼンの中、Twitter(#em_meetup)から集めて来たのでリンクします。

書籍じゃないものもご一緒に。

さいごに、印象に残った一言で締めます。

それでは、よいEMライフを!

悩めるエンジニアリングマネージャが『Engineering Manager Meetup #2』に参加した #em_meetup

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Engineering Manager Meetup(EM Meetup)の第二回目が開催されました!

connpass.com

一回目の開催と同じく、とても熱気があり、学び多き勉強会でした。

悩める私

ここ最近の私の悩みはアスクルという会社で「エンジニアリング文化をどうつくっていくのか」です。
そんな悩みをディスカッションしたく参加しました!

文化をつくることについて語りました

文化とは?
  • 外と中から見た抽象的なイメージ
  • 行動規範になる
  • 何が良いことなのか、考え方、働き方である
  • 価値観

文化とは、信仰に近いものがあるのではないかという話になりました。
確かに、何を信じでそれに従っているのかに近いですね。

日本の文化〜というスコープで考えた時に、普段私達が何気なくやっていることが文化となっている。
そう考えると、組織の文化も何気なくやっていることが文化として根付いているのかも知れません。

なぜつくるのか

では、なぜ文化が必要なのでしょうか?

  • 行動に一貫性をもたせたい
  • 組織をブランディングしたい
  • 最高のチーム作りをしたい
  • 事業発展に貢献したい
  • 自己組織化したい

このようななぜが出てきました。
確かに、文化があって理念があると、自分たちで判断し、一貫した行動が取れるので必要だと感じました。

どうつくるのか

さて、本題。どうやって文化は作るのか。
目標などの仕組みに組み込んだり、文化に馴染む人を集めたり。

中でも印象的だったのが「繰り返し伝えること」

カルチャーブックを作ったり、仕組みを作ったりすることで、
繰り返し繰り返し一貫した行動で伝えていくとそれが文化になっていくのではないかと感じました。

EMの転職について語りました

EMのスキルは明文化しづらく、レジェメにどう書けば良いのか。
面接でどう判断していけばいいのかというテーマです。

テーマのパンチ力すごいw

EMの採用

EMをやりたくて転職する人が希少で、今の組織でエンジニアからEMになったという方の方が多かったです。
では、EMの採用はどうしたら良いのか?

EMとしてできる人を、こちらから探して口説くというのがミスマッチも少なく効果的なようです。
自身でEMとして応募してくる人とはミスマッチの確立も高くなるので、面接での工夫が必要です。

  • 言っていることのリファレンスをとる
  • 疑似1on1をやる
  • 今困っていることを話してあなたならどうするか
  • EMとして努めたら最初に何をするか

などなど。一番避けるべきはミスマッチですね。

EMの転職

では、転職の時は何をアピールしたら良いのか。
個人的には「EMのスキルはストーリー」という言葉が刺さりました。

組織がどのような状態で、
何に課題を感じ、
どんなアクションをして、
どうなったのか。
そして、なぜそのアクションを選択したのか。

このようなストーリーにこそ、EMのスキルが見えるのかもしれません。

他のテーマ

パンチのあるテーマがたくさんでました。

他にもテーマはありましたが、全部撮りきれませんでした。(飲んで酔っ払って撮るの忘れました。。)

いい雰囲気でした

ハムが振舞われたり

日本酒やワインを飲みながらパワーテーマをディスカッションしたり

初めての参加の方でも存分に楽しめたと思います! 3回目も楽しみですね!

今日の学び

前回の参加レポート

dskst9.hatenablog.com

このままでいいんだっけ?エンジニア面接官のレベル

エンジニア採用が 重要!重要!! と言われる昨今、どの会社も採用活動に励んでいるかと思います。

私自身も面接官として日々面接をしているのですが、ふと思いました。
あれ?自分は面接官としてちゃんとできているのかな?

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最高のメンバーと働くために、企業の顔になる面接官はとても大事。
そして、合否も出しているというから面接官はめちゃくちゃ大事。
応募者が全力を出せるかどうかも面接官次第。

自分はしっかり向き合えているのだろうか。

  • エンジニア面接官という重要なものが、軽視されているのではないか?
  • エンジニア面接官のスキルを体得する機会は、少ないのではないか?
  • 面接官のレベルアップはどうやってしていけばいいのだろうか?

このままでいいんだっけ?自分よ。エンジニア面接官たちよ。

私が面接官になって今に至るまで

始めて面接をしたのは前職での事。
リーダーのような立場で、上司と一緒に面接に参加したのが始まりでした。

上司の背中を見ながら見よう見まねで、実際の面接で少しずつ学んで行きました。
今に至るまでの間、面接の現場で少しずつノウハウを溜めて、自分でもよくわからない秘伝のタレと化した面接官スキルが出来上がっていました。

そして現職アスクルにてエンジニア採用に対してのPDCAを回す過程で、エンジニア面接の全面見直しを進めています。
評価基準を作ったり、面接フレーム作ったり、トークスクリプト作ったり、コーディング試験作ったり、etc、

そこで、秘伝のタレも明文化していってるのですが、そのタレは果たしていい味なのか、正解はわからないので悩んでいます。

悩んだら誰とディスカッションするのか

本を読んで知識のインプットはできますよね。
Google re:Work - 採用 もとても参考になります。

が、悩んだときどうしたらいいのでしょうか?
そのようなコミュニティも存在しないみたいなので、みんな自社でなんとかしているんでしょうか…?

もっとみんなと情報交換をしてみたい!

ということで「エンジニア面接官」コミュニティを作った

interviewer.connpass.com

キャッチ画像がものすごくイケてないような気もしますがw
エンジニア面接官のレベルアップをしていこう!というようなコミュニティです。

人が少し集まればイベントを立てようかと思いますので、是非みんなで意見交換してきましょう。
もちろん、面接官じゃなくても参加OKです。

想いを乗せて

もっとこんな事聞きたかったなー。こんな風にプレゼンしてくれたらいいのになー。
そんな、面接における悔しい思いを、”する側される側”がしないような、
良い面接とはなにか?を体得できるようなコミュニティになればいいなと思います。

1on1の教科書には載ってないそこんところ

1on1 やってますか?

1on1 大事ですよね。
みなさんはどのように 1on1 をしていますか?

1on1 は "経験学習を促進する" のが大事と言われています。コーチング、ティーチング、フィードバックなどを駆使して、内省を促します。

上記を基本として、それぞれのスタイルを確立してしていく。守破離の法則で、基本の型から始まり自分の型へと進化していきます。

さて、今回は私の型の中から5つの考え方をまとめます。

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マネジメントに興味がなくても騙されたと思って『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』を読んでくれ

エンジニアのためのマネジメントキャリアパスという書籍が出版されました。 
タイトルに書いたとおり、マネジメントに興味がなくても、読むこと大きな学びをもらえる本です。

及川さんが前書きを書いており

本書を読み終わった後、私はひどく落ち込んでいる自分に気づきました。
~中略~
内容が素晴らしい故に、いかに自分が未熟であったかを思い知らされた

と、記載があって衝撃を受けました。
及川さんが落ち込んだら、私なんて精神崩壊してしまうのではないか…!?

本書を読んで、精神崩壊こそしなかったですが、ひどく落ち込みました。自分のレベルの低さを痛感します。

本記事では本書の知識定着のためのアウトプットと、所感をまとめています。各章毎にピックアップして記載します。

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『Engineering Manager Meetup #1』に参加してきた

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Engineering Manager Meetup #1 というとても気になるタイトルのイベントに参加してきました。

connpass.com

オープンスペーステクノロジーで進行する流れで、テーマは下記がピックアップされました。
※オープンスペーステクノロジーについてはconnpassのページをみてね。

  • 目標管理・評価制度
  • エンジニアリング組織論への招待について
  • Engineering manager とは何者
  • 1-on-1のやりかた
  • managerのキャリアパス
  • 採用・ブランディング
  • 給与
  • チームビルディング
  • Engineering Manager の魅力づけ

どれもこれも気になる話題で参加するセッションに悩んでしまいます!
そんな人のために、全チームディスカッションをして、チームのディスカッション内容を全体共有という流れが組まれています(ステキ

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『私のカイゼンジャーニー』で登壇してきた

私の「カイゼンジャーニー」に参加&登壇してきました!

devlove.doorkeeper.jp

7年ぶりくらいに高円寺に降り立ち、エモい話を精一杯話しました。

0にんから始まるカイゼン

私が発表したスライドです。

ストーリー仕立てのエモい感じで仕上げて、20minの発表なのに113スライドになってしまいました。。やりすぎた。
この話が誰かの役に立つと嬉しいですねー。

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”群衆の英知もしくは狂気”から考える組織にビジョンを浸透させるには

先日、朝から刺激的な記事をみつけた。

yunon-phys.hatenadiary.com

情報は人のネットワークを通じてどう感染していくのかということである。
ここで興味深いのが、ただ闇雲に情報を発信しても情報は伝わらないということ。

では、情報ではなく別のなにかを伝えるときは?
人のネットワークも考えた上で、戦略をねることで本当の効果が狙えるのではないか。と考えた。

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『エンジニア採用担当者必見!~技術選考におけるスキルの見極め方~』に参加してきた

givery.connpass.com

技術選考というテーマはなかなか見ないイベントだったので参加してきました。
公開NGの情報もあるということで、書けそうなことだけ書いていきます。

こんなイベント

メインはバンナムさんとクックパッドさんとのトークセッションです。

  • オープニングセッション
    • エンジニアの選考にスキルチェックが求められる背景
  • トークセッション
    • スキルチェックを活用したエンジニア採用選考手法の紹介
    • スキルチェック導入による採用効果の変化とは
    • スキルの見極め方について
    • 導入/運用体制
  • 質疑応答
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影響の輪を増やすこと

影響の輪という言葉はご存知だろうか?

7つの習慣にも出てきたこの言葉は、自分で変えられるものの範囲(輪)を言っている。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

  • 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
  • 出版社/メーカー: キングベアー出版
  • 発売日: 2013/08/30
  • メディア: ハードカバー
  • この商品を含むブログ (9件) を見る

例えば、天気、過去や他人など自分に変えることはできないものはこれに該当せず関心の輪と言われている。
自分で変えれるもの、例えば自分自信。そこに注力することで、自信が主体的になり影響の輪が広がるという考え方だ。

他人は変えれないけど、友人はどうか?
その友人を変えることができるなら、その友人はあなたの影響の輪の中いることになる。

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変化を追い求めること

私は選択に困った時、
変化が大きい方を選択している。

環境の変化、職場の変化、仕事内容の変化など、様々なシーンで変化が大きい方を意図的に選択している。

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なぜ変化を選択するのか

変化が大きい=自分が経験したことがない(少ない)

と、考えた時に自分が成長できるのは変化が大きい方だと思っている。自分の成長戦略をどう考えているかにもよるが、私は多様なドメインでエンジニアとして成長したいと考えているということだ。

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スクラムとヒエラルキー組織の付き合い方

ヒエラルキー組織とスクラム

世界ではヒエラルキーからフラット、ネットワーク、ホラクラシー、ティールなど様々な組織体がありますが、日本はまだまだヒエラルキー組織が多数を占めていると思います。

そんな私が属する組織もスクラムを導入して3年が経ちました。
結果、ヒエラルキー組織でもスクラムを実施することはでき、たくさんのいい効果を生み出しました。

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一方で、今までの組織の考え方とスクラムの考え方とで課題も多々発生もしました。
この記事ではそんな課題にになった3つのことをまとめます。

  1. 組織体との関係
  2. 評価制度と組織のベクトル
  3. プロジェクトとプロダクトとの関わり
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