ふりかえりのふりかえり
私の会社では最近"ふりかえりのふりかえり"をはじめました。
ふりかえりとは Scrum でいうところの Retrospective のことです。
各チームでのふりかえりを、さらに別のチームの人たちとふりかえることで、たくさんの学びを得ることができました。
ふりかえりのふりかえりとは
さて、まずは"ふりかえりのふりかえり"について説明します。 簡単に言うと、ふりかえりの内容を他チームの人にレビューしてもらい、意見をもらうという場です。
- 参加者
- 発表者:スクラムマスター(または、ふりかえりのファシリテーター)
- レビュワー:スクラムマスター(または、ふりかえりのファシリテーター)、他チームメンバー
- 必要なもの
- 自チームの直近のふりかえりの内容をまとめたもの(ホワイトボードの写真でも、議事録やデータでも)
- 心理的安全性を高めておくこと
流れ
- 発表者が直近のふりかえりの内容を説明していく
どんなトピックスがあったのか、どんな課題があったのか、どんなアクションをしたのかなど。 - レビュワーは気づいたことを意見していく
- 次回のふりかえりに向けてやることを決める
ふりかえりをふりかえると見えるもの
- 自分のふりかえりを客観的に見ることができる
- それにより、渦中にいた時には気づかなかったことに気づける
- 何よりも、第三者視点の意見に多くの気づきをもらえる
やってみると自身のふりかえりに対する改善点がたくさん見えてきます。
そうか、その観点はなかった。
今みると、もっとこうできたな。
これやってなかったな、なぜなのか。
生々しいくらいに、自身のふりかえりの問題が見つかります。
そして、新しい気づきをもらうこともできます。
人間は大変な作業を楽な作業に変えようとしてしまいます。そう、サボってしまうのです。
ふりかえりを何回も行っていると、サボってしまい形骸化することもあると思いますが、ふりかえりをみんなでふりかえると形骸化することも防ぐことができます。
次のふりかえりに活かす
フォーカスとファクト。
ふりかえりの場でも重要なことですが、ふりかえりの場から一歩引いて冷静にふりかえりを見ることで見えてくるものがあります。
フォーカスする
フォーカスすることの大切さを感じました。
今の課題は何かを見極め、そこにフォーカスしたふりかえりを行うだけでも密度の濃いふりかえりを行うことができます。
課題がわかっているなら、データを集めることに注力しないで課題にフォーカスしていくと有意義な時間になります。
ふりかえりの後で見ることで、本質的な課題に気づき新たなフォーカスに気づかせてくることがあります。
ファクトを集める
問題として出てくるものが抽象的なもの、感情的なものはよくあります。
そこで、「なぜ」を意識してブレイクダウンしていきましょう。
時にはよかったということも、ブレイクダウンすると課題が潜んでいることがあります。
KPTでKeepに対して、“なぜ”よかったのか、“なぜ”できたのかって考えるの大事なんだな。実はKeepにこそ課題が潜んでたりする。
— daisuke sato@アスクル (@dskst9) 2019年1月16日
これを、さらにふりかえりのふりかえりで見つめ直すことで、新しいファクトに気づいたりその可能に気づいたりということがあります。
ふりかえりのふりかえりをふりかえる
ふりかえりのふりかえりが思った以上に有意義だったので、ふりかえりのふりかえりをふりかえってみました。
Scrum of Scrum などだけではなく、チームを越えてみんなが集まり、ふりかえりからチームを改善していけると最高のサイクルですね。
ふりかえりの手法は「アジャイルレトロスペクティブズ」の書籍に、多様なやり方が載っていますのでご参考ください。
アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き
- 作者: Esther Derby,Diana Larsen,角征典
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 単行本
- 購入: 10人 クリック: 1,282回
- この商品を含むブログ (117件) を見る