カンバンとは?
カンバンとはメタプロセスであり、プロセスを改善するためのプロセスである。 カンバンを用いることからカンバンと言われる。
カンバンは作業者ではなく作業にフォーカスする。"作業の流れ"を良くしていく。
「始めるのをやめて、終わらせるのを始めよう!」が合言葉。
簡単なはじめ方
- ボード上の列でワークフローを示す。
- カンバン上にチームのタスクをすべて並べる(付箋などに書き出す)。
- タスクの進捗(ワークフローの進行)でタスクを移動していく。
カンバンの原則
カンバンの原則に沿ってこそ効果を発揮する。カンバンには3つの原則がある。
- 見える化
- WIPの制限
- 流れの管理
1. 見える化
仕事を見える化して自分たちの仕事を理解する。
「仕事がどう進むか」を学び、改善の可能性を発見する。
- 作業項目が見える
- ワークフローが見える
- 個々の項目の状態が見える
- チームのポリシーが見える
2. WIPの制限
WIP(仕掛り作業)に制限を作る。
WIPを制限することで、ワークフローの流れが悪くなったり、滞ってしまったり、完全に止まってしまったりする。
これは、WIPの制限により改善の余地が浮き彫りになったということであり、課題への取り組みを促す。
3. 流れの管理
ワークフローが迅速に流れるように管理する。
ワークフローを流れる作業項目がどこで詰まってしまうのかを発見し、ボトルネックを改善し続ける。流れの改善にフィードバックループはセットになる。
原則の適用
見える化
- ボードにワークフローの列を作る。
- タスクは付箋などで表現する。
- タスクの属性やチケット番号などチームにとって必要な情報を付箋に書き込んで利用する。
開始日、完了日、チケット番号、サイズ、進捗インジケータなど - 誰がどのタスクをやっているかが見えるようにする。
- 作業がブロックされていること(ブロッカー)をわかるようにする。
WIPの制限
- 列ごとにWIPを制限する。
- または、人単位でWIPを制限する。
- または、ワークフロー全体、チーム全体などもある。
流れの管理
- WIPの制限をする。
- プロセスの待ち時間を削減する。
- デイリースタンドアップをする。
- チームで協力してタスクを完了させる。
- タスクはボードの左から右にpullする。
プラクティス
デイリースタンドアップ
次の2つの質問をする。
- タスクを完了に近づけるために何をする必要があるか?
- 誰がそれをやるか?
サービスクラス
明確なポリシーと特定の作業種類を紐付ける方法。 ワークフローのレーンやタスクの属性など特別なポリシーが必要なものに対して付与する。付箋の色を変えたり、特急レーンを用意したり。
計画づくり
カンバンではチームにとって適切なタイミングで計画を行なう。
イテレーションを設けて計画をするのもよいし、inboxが一定量になったら計画するのもよい。流れるように計画づくりをするのもよい。
見積もり
見積もり自体に価値があるのではなく、ディスカッションに価値がある。
フォボナッチ数でポイント見積もりするもよし、大まかなタスクサイズで見積もるもよい。見積もらない(平均すると全部同じサイズになるから)というのも一理ある。
完了の定義
各ワークフロー毎に完了を定義する。
完了を定義することでタスクの品質・成果を一定以上に保つことができる。
ふりかえり
フィードバックループを回すために実施しなければならない。
イテレーションごとにふりかえるのもよし、常にふりかえるような仕組みをつくるのもよし。
メトリクス
以下のメトリクスが集めやすい。
- サイクルタイム - プロセスの一部分を通り抜ける時間
- リードタイム - プロセスの全体を通り抜ける時間
- スループット - 一定期間に完了した項目数
- ボードにあるタスクやブロッカーの数
- 納期順守率
- 価値要求と失敗要求 - 障害に対する要求なのか、顧客に価値のある要求なのか
累積フロー図などを利用するとメトリクスが確認しやすい。
さいごに
カンバンはプロセスを改善するためのプロセスであるため、カンバンを使ってチームがプロセスを改善し続けてほしい。
本記事で使用したカンバンサンプルは カンバン sample - Google Jamboard から閲覧可。
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