twitterでも話題になっているカイゼンジャーニーを読みました!
カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで
- 作者: 市谷聡啓,新井剛
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2018/02/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
展開されるストーリーに胸が熱くなり、一歩踏み出すパワーをくれます。
“It is easier to ask forgiveness than permission.”
— daisuke (@dskst9) 2018年3月14日
It’s so cool!
カイゼンジャーニーが胸熱な感覚を思い出させてくれる
— daisuke (@dskst9) 2018年3月14日
新任マネージャには カイゼンジャーニー 読ませて、 エンジニアリング組織論への招待 読ませるといい感じの下地ができそう。読ませるじゃなくて、自分から見つけて読んでくれるとCool!
— daisuke (@dskst9) 2018年3月14日
#カイゼンジャーニー 読了!
— daisuke (@dskst9) 2018年3月23日
「あなたは何をしている人なのか?」自分は何をしている人なのか、何をしたいのか。考えさせられるいい本でした。
プラクティス
ストーリーに引き込まれてしまいますが、気付くとたくさんのプラクティスを紹介してくれています。
この記事ではそんなプラクティスをふりかえってみます。
第1部 一人から始める
一人でもできるようなプラクティスが紹介されています。
- 現場のDiffを取る
外から得た学びを、自分たちの状況、制約を踏まえてどう適用するかを決める。 - 状態の見える化
- タスクマネジメント
その仕事の背景や目的を理解することから取り組み、タスク規模を見定め、期限を踏まえて計画を立てる。 - タスクボード
計画づくりを見えるかしたボード。 - 朝会
日々の朝会で計画のズレを検出し、再計画するきっかけをつくる。(個人的には一日決まった時間でできれば朝じゃなくてもいいと思う) - ふりかえり
仕事のやり方やその結果を棚卸しして、次の計画づくりや日々の仕事に活かす。
- タスクマネジメント
- KPT
Keep, Problem, Try のフレームワーク。 - 1on1
上司とメンバーが1対1で行うコミュニケーション。週一回30分ほど行うがすごい大事な時間。 - XP
eXtreme Programming 。ここではケント・ベックの「XP is about social change.」という言葉を引用。筆者の言葉では「行動を始めるべきだと気づいたその時が、その人にとって最速のタイミング」と伝えている。
スポンサーリンク
第2部 チームで強くなる
チームでのアクションがメインになるのでスクラムの話題が多くなります。
スクラムの各種説明は他の記事に委ねます。
- スクラム
アジャイルソフトウェア開発の手法の1つ。 - 完成の定義 (definition of done)
メンバ全員がプロダクトの「完成」に対して共通の理解をもつために、完成の定義を行う。 - 受け入れ条件(Acceptance Criteria)
これらを満たしていれば、要求を確かに実現していると判断できるリストのこと。 - インセプションデッキ
10個の問いに答えることで、プロジェクトのWhyやHowを明確にする。ちなみに、つくるのに数時間かかることもあるが、あとでの手戻りを考えると最初にしっかりと時間を使ってやっておくべき。 - Working Agreement
自分たちの働き方や開発ルール。 - 成功循環モデル
関係の質(お互いに尊重し一緒に考える)→思考の質(気づきがあり面白い)→行動の質(自分で考え、自発的に行動する)→結果の質(成果が得られる)→関係の質 - 期待マネジメント
「期待」もマネジメント対象の1つ。期待がどうなっているかを捉え、すり合わせが必要。 - ドラッカー風エクササイズ
4つの質問で期待をすり合わせる。自分は何が得意化なのか?自分はどうやって貢献するつもりか?自分が大切に思う価値は何か?チームメンバーは自分にどんな成果を期待していると思うか?その期待はあっているか? - ファイブフィンガー
ドラッカーエクササイズなど、5本の指を使って投票する。 - 狩野モデル
あらゆる品質が同程度に重要なのではなく、また、それらを一様に高めることも重要ではない。 - むきなおり
誰もがはっきりとはわからない中で、それでも現状から方向性を定め直し、認識を共通にする機会をつくる。 - 合宿
空気を変え、雰囲気を変え、集中した時空を作り上げる。 - 星取表
スキルマップ。チームのメンバーがどのようなスキルをもっているかを見える化して、俯瞰するための道具。 - モブプログラミング
みんなで一つの画面を見ながらプログラミングをする。 プロセスフロー効率性、コミュニケーションカイゼン、学習効果、達成感のメリットがある。 - コーチの撤収
巣立ちの時。ヒーローは、チーム。 - バリューストリームマッピング
プロダクトの価値がお客様の手に渡るまでの仕事の流れを見える化する。 - ECRS
業務改善の方法論。Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化) - カンバン
カンバン!! - ポストモーテム
プロジェクト終了後、プロジェクト振り返って行う「事後検証」のこと。 - 感謝のアクティビティ
ポストモーテムとは別にメンバー同士で感謝を送り合うイベント。
スポンサーリンク
第3部 みんなを巻き込む
チームからパートナーへと越境していきます。
- リーダーズインテグレーション
リーダーとメンバー間の信頼感を醸成するためのワークショップ。 - モダンアジャイル(心理的安全な場)
4つの基本原則:人々を最高に輝かせる、安全を必須条件にする、高速に実験&学習する、継続的に価値を届ける - アジャイルな見積もりと計画づくり
初期フェーズで長い時間をかけて、使えない繊細な計画を作成するよりも、現場で活用できる使える計画づくりをし続けることが重要。不確実性コーン。 - プランニングポーカー
多点見積もりと相対見積もりの技法。 - リリースプランニング
期日、スコープ、予算、品質などのバランスを取った上で将来を見通す。遠い先まで詳細にした千三な計画ではなく、妥当なレベルの正確性を重要視する。 - CCPM
タスクバッファを持たず、プロジェクトバッファを持つ。 - パーキンソンの法則
仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する。 - YWT
むきなおりに便利なフレームワーク。やったこと(Y)、わかったこと(W)、次にやること(T)。WをベースにTが生まれてくる。 - Scrum of Scrum
複数のスクラムチームから代表を集めて実施するミーティング。 - デイリーカクテルパーティー
ミーティングに階層を設ける。それぞれのチームリーダーを集めて、仮想に伝搬する。 - ユーザーストーリー
「顧客」として(Who)、「XXXを達成したい」(Why)、なぜなら「理由」だっからだ(Why) - INVEST
ユーザーストーリの考え方。Independent(独立して優先順位が付けられる)、Negotiable(何をつくるかの案が調整可能)、Vluable(価値がある)、Estimable(見積もり可能である)、Small(チームで扱いやすい手頃なサイズである)、Testable(テストできる) - ギャレットの5段階
UXを考え、構築していく上での重要な考え方・概念。表面、骨格、構造、要件、戦略。根底にある戦略から要件を洗う。 - 仮説キャンバス
リーンキャンバスに目的やビジョンのエリアを掲げた拡張版。 - ユーザーストーリーマッピング
時間の流れに沿ってユーザーの行動を洗い出し、左から右にその変換を可視化してくワーク。 - MVP
ユーザーにとって価値があり、かつ最小限の機能性をもった製品。 - ユーザーインタビュー
直接ユーザーに声を聞く。実際のPC画面やプロトタイプを使用してインタビューを行う。 - ハンガーフライト
飛行機乗りの世界で、天候が悪い時に、天候が良くなるまで格納庫で経験談や雑談をしていたのが語源。本書では勉強会開催をケースにしている。
スポンサーリンク
さいごに
まとめてみると結構な量のプラクティスが詰め込まれていました。
それを感じさせないでスラッと読めてしまうのは改めてすごいなと思いました。
一番印象に残った言葉、
「あなたは何をしている人なのか」
そして、私の言葉を重ねてさいごは締めようと思います。
「あなたのチームは何をしているのか」
「あなたの会社は何をしているのか」